『群馬実践塾・第T期生・第3回の宿題レポート』          2008年12月5日 登録

 

課題の設定

モンキーポッドクラブ
益本 裕美

正規職員は私と渡辺(24歳、男性)のみで、他9名は、パートとアルバイトである。
渡辺の担当である悠斗は、深夜1時過ぎに寝て、10時過ぎに登校という毎日を送っている。学校の活動もモンキーでの活動も眠気とだるさで遊びへの意欲が無い。渡辺は、悠斗の生活全体を何とかしたいと話す。先輩指導員より、悠斗の認知力の高さや家庭での問題を聞く度に「やばいっすよ」と悠斗の生活改善を何とかしたいと考えた。しかし、周りからの助言で渡辺は心を焦らせるが、何処から手を付けてよいのか、解からない。
私が「中1の悠斗への支援は、高等部卒業までの5年しか無い。保育担当として保護者に生活改善をして欲しいことを話すべきだ」と伝えた。渡辺は「そんな事、言えない。親の生活を変えろ!なんて言えない」と言った。悠斗のモンキーでの行動記録と睡眠時間、登校時間を調べることを提案した。そして、渡辺自身が行動記録のグラフを書いた。グラフを書き上げ、私に見せながら「このままでは、悠斗が駄目になると本当に実感しました」と言った。また、「みんな(先輩指導員)が悠斗の体を動かせ!と言うのがわかった。悠斗の体を起こすことと、疲れて眠らせたいんですね」
私は、渡辺が周りからの助言をもらい、助言の内容を理解していると思っていた。しかし、本当のところでは解かっていなかったのだ。そして、渡辺自身が悠斗に持つ危機感を両親に伝えたいと本気で思ったようだ。先輩指導員の助言は、当たっていると解かっていても渡辺が行動を起こさねばならないと気づいたのは調査とグラフでした。
渡辺が本気になった同時期に悠斗母は、10月9日、精神科の校医と面談した。悠斗の現在の実態は明らかな睡眠障害であると校医から言われた。睡眠日誌をつけなさいと校医に言われたそうだ。
渡辺が気づいたように、自分の手で書き込むことが大切だと私は思う。母と相談しながら、記入しやすい睡眠記録シートを提案することにした。そして、モンキーでの行動記録と重ね合わせ、悠斗の成長を母とスタッフ一同で共に喜べる日を願っている。
今回のケースは、面白い程にうまく事が運んでいる。しかし、それを提案している益本は、渡辺のあら捜し?の魂胆見え見えのグラフを作成した。保育日誌の記録グラフである。「毎日の保育担当すら書き込まない渡辺」と表現すると、坂部先生が「表紙に担当表をつければ良い」と話された。まだまだ、益本は『人離れしていない』と深く反省した。

益本裕美さんの、
「伊香保実践塾・宿題Bレポート」は、
「第T期生・第1番目」の到着でした。
ありがとうございました。

益本裕美さんのレポートは、
まことに具体的であり…しかも明快である。
今はまだ無認可の障害児学童保育を、
何とかして質の高いものに育てあげるべく、
主任指導員として日夜頑張っているのだが、
そんな中での指導の一例を取り上げて、
見事に自分のところの学童保育クラブの、
「モンキーポッド」の内面の問題を描き尽くしている。
一人の障害児を担当する渡辺正規職員の学童の育て方に、
納得の行かない益本主任指導員は、
正規職員である渡辺君をいかにして育てるべきかについて、
考え悩んでいるのである。
そして「本人が気づく以外に法はない」と悟るのである。
本人が気づく気づかせ方は主任指導員である自分が、
いくら口でいくら言っても仕方がないと云うことは、
既に先刻承知している益本裕美さんだけに、
渡辺担当に「傷害児学童のモンキーでの行動記録」と、
「睡眠時間」「登校時間」を調べることを提案した。
すると渡辺担当自身が、
上記の三つを見事に「グラフ」にかき上げてきて、
その「グラフ」を私に見せながら、
「このままでは悠斗は駄目になるとほんとに実感しました」
と云ってきたのである。
これこそ自分で気づく気づかせる方法の好例であろう。
渡辺担当が本気になったと同時期に、
悠斗の母も精神科の校医と面接した。
悠斗君の「現在の実態は明らかに睡眠障害である」と指摘され、
「睡眠日誌を付けなさい」と校医に云われたそうである。
この担当者の気づきと障害児の母親の気づきが同時的に相まって、
「今回のケースは面白いようにうまく事が運んでいる」と、
益本主任指導員は「レポート」して来ているのである。
この「レポートで報告されている事例」の中には、
「教育の本質」が秘められているように思うのであるが、
如何でありましょうや。  (by 坂部正登)

Monday, October 13, 2008 3:21 PM

 

平成20年10月15日

組織を生き生きさせる実際的方法
『課題の設定』『実態調査』を読んで


株式会社 ヒューマンサポート
 竹 田 恵 美 子


医療現場も以前と違い保険制度も頻繁に変わり、患者側も飽食のこの時代、人権も守られ、わがままにもなって要求も多いのではないかと思います。
ましてや社会が殺伐としてきている昨今、患者は気持ちが弱くなり、癒しまでも求めるでしょう。医師と患者との狭間で右往左往しているのが採って見えます。企業で言えば中間管理職の様ですね。

“ 以前両親が病院で最後を迎えた折、お世話になった病院の、担当看護師の方が変わる度にそれぞれ対応が違い、付き添った側も戸惑い、後味の悪い思いを致しました ”

弊社も同様、派遣業ですので企業と派遣従業員との狭間で、担当者は日々起こる問題に翻弄されています。
表面的には一つ一つ解決したかのように見えますが、同じような問題が繰り返し起きるということは、根本で問題解決に至っていないということですね。
弊社では、作業上のミス、対人トラブル等が度重なると退職(契約終了)で大半を処理してしまう傾向が見られます。
確かに人材派遣業で派遣先より苦情等が有れば、派遣先の要求に従わざるを得ず、交代要員を入れ対応をせざるをえない大変難しいところです。
そうした中でも派遣先企業様にも協力をして頂き、お互いが良い方向に解決していけたらとは思います。
退職していった従業員からも、それぞれ退職理由は違えども、後にどこかで出会った時に、“あの時はお世話になりました” “色々良くして頂きました”と笑って挨拶できるような雰囲気で退職者を送り出したいものです。又、その人たちから後に知り合いや友達を紹介して頂けたりと繋がっていければ良いかなと思います。
まずは、管理スタッフと共にこの“組織を生き生きさせる実際的方法に取り組んで行きたいと思います。

竹田恵美子さんの、
「伊香保実践塾・宿題Bレポート」は、
「第T期生・第2番目」の到着でした。
ありがとうございました。 

竹田恵美子さんの会社は「派遣会社」です。
ですから派遣した社員たちは派遣先の会社で働いているわけです。
それだけに本部においての一人ひとりの管理が難しいようですね。
そのために派遣先の会社に竹田さんの管理スタッフが行っているとのこと。
派遣社員たちの元気さを確保するにはこの管理スタッフが「鍵」だと思います。
スタッフに「人離れ」した問題の把握をさせるように、
竹田恵美子さんが各管理スタッフに「課題」を与えるのです。
その派遣先の職場に適した「ちょっとした課題」でいいのです。
「どんな作業ミス」が出ているのか、
「どんな作業事故があったのか」
「出勤欠勤状態の把握」
それらのことを毎日毎日タイムリーに把握して「グラフ化」してもらうのです。
そうすると「派遣社員の問題のポイント」がハッキリしてくるはずですし、
そういうことが把握されてくると派遣社員たちが生き生きとしてくるはずですし、
派遣先の会社からもきっと喜ばれること請け合いです。
上記のように「管理スタッフ」に「具体的な課題」を持たせないで、
「人離れ」できない状態で「人間を管理」しようとしていると、
「人間関係的な問題」ばかりがはびこってしまうのです。
まずは派遣先の管理スタッフを「チーム・マネジメント的」に育てて参りましょう。
「派遣会社」だからと云ってそこで働いている人々にとっては、
他の会社と別段変わったものは何もありません。
「派遣会社」と云うことは「雇用関係」の問題であって、
「仕事上で充実感」を味わうかどうかと云った、
働く人間としての基本的なことは、
「何一つ」変わってはいないのですから。
頑張って参りましょう。

次回の「伊香保実践塾」においで下さるまでに、
会社に派遣されている「管理スタッフ」の内で一番乗りそうなスッタフ1〜2名に、
「具体的な課題」を持たせ「数量的データ」を集めさせてみて下さい。
きっと変化が起こること間違いありませんから。

ではでは。(by坂部正登)

Wednesday, October 15, 2008 10:44 AM

 

組織を生き生きさせる実際的方法
「課題の設定」 「実態調査」を読んで

株式会社ボルテックスセイグン
 唐澤 仁志

どんな企業においても組織の目的や業務の役割に応じて幾つもの仕事をこなしている。
各々の部署においても一人一人がその担当分野のエキスパートにならなければいけないのではあるが、出来る人に集中する現象で業務が集中し、偏りが生じてしまい、現実の中にいるとマンネリ化してしまい回りが見えなくなってしまうようでは、組織としては成長し成り立たない。 忙しい、忙しいと言う人は、仕事を沢山抱え、こなしているんだと回りの人に認めて欲しいようにしか見えない。 たしかに、忙しいと言う言葉は、常に我々の口癖になって、忙しい=仕事への自己満足に陥っているとも思える。
これを打破するには、一人で問題を抱え込むのではなく、問題を「課題」に昇格させ、順番をつけ、取り組むべき順序を決めて、周囲を巻き込み、その力量に応じて他の者へも課題を割り振ることも必要で、言い換えればその人に活力を与えやる気にさせ生き生きさせるようで、
今回ここで、改めて「人離れせよ」とは「感情移入」して問題を見るな、問題の本質をすり替えるな、真の原因となる事実は一つで、定量的データを見過ごしては、善し悪しも付かない言葉を使っての定性的データだけの指導になってしまい、今後の課題かと思えるが、 
最近では、個々や組織のマンネリ化した考え方が、自分が感じないまま仕事の中で出ており、思い込みや、決め付けで仕事をして、大きな問題の本質発見さえ出来ず見失っているように思われ、このマンネリ化を改善する為、今後は実態調査と数量データを把握し身につけ考えて行きたいと考えている。

以上

唐澤仁志さんの、
「伊香保実践塾・宿題Bレポート」は、
「第T期生・第3番目」の到着でした。
ありがとうございました。


組織活動で一番怖いのが「マンネリ化」ということでしょか。
一人ひとりが己の意識の「硬直化」と「マンネリ化」を感じえず、
組織を動かしていると、
その組織体は世の中の動きからどんどんかけ離れてしまい、
現実社会の役に立たなくなってしまいます。
一口で言えば「儲からなくなってしまう」でありましょう。
でもマンネリ化した頭脳集団では、
「それは世の中が悪い」と言い張っているに違いありません。
今の官庁やお役所がその典型的な姿ですね。
今の官庁やお役所を見れば誰もが「ああ、な〜るほど」と、
納得できるのですが、
いざ自分のところの組織体のこととなると、
俄然目はさわやかに開いてくれないようです。
それを打破するためには大胆な組織異動や配置転換が必要でしょうが、
根本的には「各自に課題」を持たせ「実態調査」することによって、
「目から鱗が飛び出すような実体験」をしてもらう以外に法はありますまい。
自分の頭を自分で殴ることが出来るのは、
「事実データ」しか出来ないのですから。
こういうことは「いくらやり過ぎてもやり過ぎることはありません」から、
安心して「課題」を待たせ「現場の実態に迫る」ことを競ってみましょう。
生き生きとした活性化した組織づくりを目指して参りましょう。
次回は「ネットワーク法」を研修しますので、
「手順の計画」のための「課題」を考えてきた下さい。
「グラフ」も数枚以上書いて持参下さいますように。

ではでは。 (by 坂部正登)

Wednesday, October 22, 2008 8:35 AM

 

組織を生き生きさせる実際的方法
「課題の設定」を読んで

株式会社 日産サティオ宮城
渡辺 敬一


機械的なシステムが画一化された昨今では、スタッフのあり方も少数精鋭が一般的となり、一人の人間が多様な業務を処理することが求められ、結果として「忙しい」人間が増加する・・・。この場合の「忙しい」のもたらす意味とはなんなのだろう。
極めて個人的な意見なのだが、「忙しい」原因のほとんどは「自分」にあるのではないのか?「いや〜、忙しくてさ〜」などと聞いてもいないのに自ら「忙しさ」をアピールしてくるような輩はさておき、真に仕事に追われ恒常的に忙しい人間ほど「忙しさ」故に「忙しさ」の原因を追求できないと言う、いわば負のスパイラルに陥り、ますます「忙しく」なっているように見える。あるいは「忙しい」ことを仕事上の「充実感」と錯覚し、自分に都合のいいように置き換え、業務の改善に対し逃避してしまっているのではないだろうか。
忙しさを組織のシステムや上司の責任に転嫁し、自分の正当性ばかりを主張するようでは業務の改善はおろか、自己の成長すら難しいだろう。忙しいのは重々承知ではあるが一度ここで負のスパイラルを断ち切る「勇気」を持つことこそが必要なのではないかと思う。

渡邊敬一さんの、
「伊香保実践塾・宿題Bレポート」は、
「第T期生・第4番目」の到着でした。
ありがとうございました。 (by 坂部正登)


渡邊敬一さんの「レポート」は面白い。
「忙しい」には二種類あってそれを上手に分析しているのだ。
「忙しいタイプ」のその第一番目は、
大して忙しくも無いのに「いやあ〜、忙しくってさ〜」と、
聞いてもいないのに「忙しさ」をアピールしているタイプ。
(これには渡邊さんは問題にもしていないのだが)、
第二番目のタイプの「忙しさ」は本物の「忙しさ」であって、
手のつけようもない「忙しさ」の場合である。
真に仕事に追われ恒常的に忙しい人間ほど、
「忙しさ」ゆえに「忙しさ」の原因を追究できないという、
いわば負のスパイラルに陥り益々「忙しく」なっている場合である。
大体「忙しい人」は仕事が出来る人が陥るのであるが、
だが「仕事が出来る」と云ってもそういう形に嵌ってしまうタイプは、
「自分で仕事を抱え込んでしまうタイプ」なのである。
その負のスパイラルを抜け出す第一の道は、
「課題は串刺しにせよ」「仕事の軽重をつけろ」「部下にどんどん仕事を渡せ」
ということである。
それが実行出来ないタイプの人が負のスパイラルに陥るのである。
僕はこのタイプを「抱え込み方のリーダー」と呼んでいる。
なまじっか仕事が出来るので、
どうしても周りから仕事を頼まれてしまい頼まれると断れないので、
さらに仕事が貯まってしまうのである。
「忙」とは「心」を「失っている」と書く。
「忙しい」とは「こころここにあらず」状態のことを云うのである。
「忙しさに負けず」に「忙しさを楽しんで」は如何であろうか。

ではでは。 (by 坂部正登)

Sunday, October 26, 2008 7:44 PM

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