組織を生き生きさせる実際的方法
「チ−ム・マネジメントとは」の感想文
株式会社ボルテックスセイグン
人事グル−プ 唐澤 仁志
今回の感想文に提出にあたりまして、現在取り組んでおります弊社の組織開発の事例と照らし合わせながら作成致しました。
「企業は人なり」。人材育成は企業活動の根本を左右するにもかかわらず、現実は言葉が上滑りしているように感じることがあります。厳しい経営環境の下、目先の業績の確保、合理化・コスト削減を追及するあまり、従業員に仕事や管理の心得を習得させる機会をなくしたり、コミュニケーションを含めた幅広い人材育成の責務を十分に果たせず、組織力や現場力の低迷に繋がり、事故・品質トラブル・オペレーションミス等や不平不満による離職率の悪化を引き起こすケースも多いかと思われます。
問題の根幹は世代間の考え方・感じ方の違いも考えられますが、仕事を通じて育てていく、つまりはOJTを基本とし、提案と安全管理により全体をマネジメントできる人材の育成していく仕組み作りとコミュニケーションの欠如が主な要因とも考えられますが、
当社の管理職(UL以上)も仕事の中身は「マネジャー」より「プレーヤー」に偏り、部下育成は会社が育成するもので、自分たちのOJTで実施するものではないという考え方が多く、部下育成に関する役割認識が低く、「部下の意識が低い」「会社の仕組みが未整備」など、「他責」視点での原因抽出が多く、結局様々な制度を構築しても、中途はんぱに終わり、定着しない傾向も見受けられました。
そんな中、昨年10月よりグループ含めた管理職(UL以上の25名)WS研修を外部講師を招き、下記((1)から(4))の内容を実施し、強化を図って参りました。
(1) 部門ミッション(使命)と「あるべき姿」の明確化
@自部門のミッション(使命)と「あるべき姿」の作成
(2)「マネジメント」についての一定の理解の進展
@「マネジメント」と実務の違い(管理職の役割・責任)
Aマネジメント・サイクル(R−P−D−Cサイクル)の回し方
B「目標による管理(MBO)」の意義、仕組みと各マネジメントフォーマット
(R−P−D−Cサイクル)の再構築など
(3)年次経営計画策定内容のレベルアップ
@セイグン、各関連会社の全社年次経営計画の策定(ボトムアップからトップダウンへ)
A本部目標・方針の明確化・具体化と、それにもとづくユニット目標の設定 (セイグン)
B各本部・各ユニット、および各関連会社の実行計画の具体化
C08年度 全社年次経営計画 (セイグン、各関連会社)
D08年度 各本部・各ユニット目標・方針書および実行計画書
(4)月次進捗管理のための資料
@月次行動計画書 (管理職としての月次課題の設定と行動計画の具体化)
A課題管理表 (課題解決に向けての進捗管理ツール)
その中での不十分な点としては、
@ 自律的・能動的なマネジメントにはなっていない
A 実行計画の具体性がまだ十分ではない
B 問題解決能力のレベルアップが不十分
等があげられ、今後の課題としては
(1)「目標による管理(MBO)」の全社展開と定着化
@進捗管理の仕組みのレベルアップと実践 (全社、各本部・ユニット、各関連会社)
(2)部下育成の内容
@月次行動計画書(管理職としての月次課題の設定と行動計画の具体化)
A課題管理表(課題解決に向けての進捗管理ツール)
B管理項目一覧表(毎月管理すべき指標と実績)
CKY活動の活性化
の他、研修企画室として、恒常的に個々のレベルアップのための管理レベルの評価と指導を実施しながら、マネジメント・サイクル(R−P−D−Cサイクル)の回し方を新たに構築したMBOシ−トをベ−スに、つねにプロセスの中に自らを置き、次々と環境の打開に挑んでいる状態にあって初めて生きがいが得られるものかと思いますので、今後は、
自社の人材育成のあり方を見直し、組織体制の再構築を図るべく、戦略スタッフとしての社員教育専門担当者を養成していくことも実施しながら、チーム・マネジメントと企業内人材育成の未来形も考えていければと思います。
以上
唐澤仁志さんの、
「伊香保実践塾・宿題@レポート」は、
「第T期生・第2番目」の到着でした。
ありがとうございました。 (by 坂部正登)
唐澤仁志さんは全社の人事担当責任者として、
会社の組織活性化と人材育成を任される立場にあります。
「企業は人なり」と云いながら、
「現実は言葉が上っ滑りしている」と彼は感じている。
その要因を自社の組織システムのハード面からと、
人材育成とコミュニケーションというソフト面の両面から考え、
現状の社内の状況を打開していこうと試行錯誤して来ている。
だがいずれも決定打となるものがない。
ハード面を強化すればするほどソフト面がついて来ないし、
ソフト面を重視しようとすればハード面の弱点が見えてきてしまう。
仕事には「縦糸」と「横糸」がある。
「縦糸」がハード面の「組織システム」だとすれば、
「横糸」は「マネジメント」の部分でありソフト面だといえようか。
そして「縦糸」は目に見えるのだが「横糸」は目に見えない。
だから会社組織が上手く機能しない場合の主要な原因は、
実はこの「横糸」の中にある場合が多い。
意外に「小さな部分」にある場合が多いので、
主要な原因をあまり大仰に考えなくてもいいのだが、
その「主要な原因」は「事が小さい」だけに、
見落とされてしまい易いのである。
唐澤仁志さんもこの「レポート」の中でちょっと触れているのだが、
昨年秋より実施してきた管理職研修の中で挙げている、
(1)「部門ミッション」と「あるべき姿」の明確化
(3)A「本部目標・方針の明確化と具体化」
この辺りが意外と障害になっているように僕には思われるのだが、
如何であろうか。
次回の「伊香保実践塾」の「第二会合」の時に、
上記の管理職研修の各資料類を持参下さればうれしいのだが。
唐澤さんが不十分な点として挙げている、
@自律的・能動的なマネジメントになっていない
B問題解決能力のレベルアップが不十分
という二つは、
実践の中で鍛えて行くものであるから、
今現在不十分であっても一向に差し支えのない問題であろう。
それよりも、
A実行計画の具体性が十分でない
とうことが上記の@Bを醸し出していると思われるのだが、
如何であろうか。
これらのことを体験的に学ぶ場が「伊香保実践塾」なのである。
同期の仲間とともに実践的に体得的に学んでいこうではありませんか。
ではでは。 (by 坂部正登)
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